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■展示風景
第10回 絵画と木工 二人展
第9回 絵画と木工 二人展
阿波連 永子
世界の旅
感動の一瞬をスケッチ

第8回 絵画と木工 二人展
絵陶木三人展
阿波連 永子
『1才の孫達と100才の父』
スケッチ展

阿波連 永子(絵画)
渡辺 徹夫(木工)二人展

阿波連 永子 絵画展
同時展示渡辺徹夫木工作品

第7回 絵画と木工 二人展
第6回 絵画と木工 二人展
第5回 絵画と木工 二人展
「木の匠染めの匠展」
第4回 絵画と木工二人展
第3回 絵画と木工 二人展
2006年 永源寺ものづくり展
絵画と木工 二人展
永源寺ものづくり展
オープン記念展示会


■阿波連永子略歴

 沖縄から大阪へ
 浦添市美術館
 滋賀県立美術館
 ニューヨーク
 ドイツ・オーストリア・スイス
 アフリカ タンザニア
 中国
 イタリア
 アフリカ ケニヤ
 インド
 アフリカ タンザニア
 エジプト アレキサンドリア
 東北夏まつりの旅
 南米
 ふるさと沖縄
 思い出のニューヨーク

■渡辺徹夫略歴
 椰子の木
 檪野寺のイチイ
 レインスティック
 積木
 栃の万能テーブル
 島屋展を終えて
 「旅立ちの日」連作から

■巨樹探訪の旅
 『縄文杉』
 『青森県のイチョウ』
 『石徹白の大杉』
 『夜叉ヶ池』
 『ふるさとのブナの森』

 


■ギャラリー案内図

■巨樹探訪<その5> ブナの森を歩く そのU ふるさとのブナの森

ブナの森を歩く そのU ふるさとのブナの森

 大阪府と和歌山県の境に和泉山脈があります。その主峰和泉葛城山は、860mの高さにもかかわらず、巨木のブナの原生林があることで知られている。南限のブナとして天然記念物に指定されています。私はその和泉葛城山のある貝塚市に育ちました。中学生の頃、あまり体の強くなかった私は、運動部に入らず科学部に入り、生物班の一員として蝶の採集に明け暮れていた。自転車で山の小学校まで行き、そこに自転車を預けて、山頂迄の登山道で蝶を追いかけます。早春のコツバメに始まり、国蝶のオオムラサキ、あこがれのミドリシジミ、そして私の大好きなアサギマダラ。今日は捕れるだろうかと期待に夢ふくらませて、毎週のように通った山路でした。私は蝶を捕るのがへたで、仲間があこがれの蝶を捕らえるのを指をくわえて見ていることが多かった。中学時代の私は蝶にこそ興味はあったが、ブナの木についてはなにも知らなかった。ブナの森を歩いていても、それは普通の山の木にすぎなかったのです。しかしそうして山に登り、深い森の中を歩くことが、高校で登山部に入るきっかけとなり、自然を求めて田舎暮しをする現在へとつながっていったのでしょう。
 娘と二人で登る機会を得た。一歩一歩よみがえってくる子供の頃の記憶を楽しみながら登った。意外なほど長く、きつい登りに感じたのは、歳のせいだったのだろうか。山頂が近づき、ブナの巨木が姿を現わす。昔、何度となく見た風景だった。子供の頃は、ブナの木に興味はなかったが、それでもブナの木の一本一本を忘れてはいなかった。この木も、この大きな木も、その次の巨木も私は覚えていた。なつかしかった。やっと再会できたというほうが実感だったのかもしれない。
 ブナの木の下数ヶ所にネットが張られ、種の採集が行われていた。ブナが育つには暖か過ぎるこの山では、実生苗がほとんど育たないのであろう。登山路の側のブナの木の根元に小さな札があった。「ブナの実生」と書かれていたが、苗木はなく、心ない人の残した小さな穴があった。私が子供の頃に見たのとほとんどなにも変わっていない森の姿に、これから先、このブナの森では、十分な世代交替ができるのだろうかと、娘と二人して、多少気にしながらふるさとのブナの森をあとにした。

 

 









 


■ギャラリー アカショウビン
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